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【講座】「体感すること」がDXへの第一歩〜DX入門講座

2022.10.03

デジタルトランスフォーメーション、いわゆるDX。その必要性や重要度を感じながら、イメージが掴めない、なかなか取り組めない、なにから始めたらいいのかわからない。そんな方も多いのではないでしょうか。今回は「DX入門講座」として、DXの概要や実現される世界観、事例や最初に取り組むべきことなどを、まとめてお伝えします。

目次

  • DXとはデジタルで業務全体を変革すること
  • DX技術で開かれた世界を実現し、業務変革を後押し
  • デジタル化の3ステップ
  • DXがもたらす3つのバリューモデル
  • DXへの第一歩は「体感すること」

DXとはデジタルで業務全体を変革すること

まずは、DXの定義について確認しましょう。DXは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、「デジタル(Digital)」と「変革する(Transformation)」を組み合わせた造語です。

では、デジタルで「何を」変革するのでしょうか。

経済産業省では、2018年にデジタルトランスフォーメーション(以下:DX)の実現と推進にむけた「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート〜ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開〜」を発表しています。この中でDXについて、企業が顧客や市場の破壊的な変化に対応し、組織や文化の変革をしつつ、デジタル技術を活用して、新しい製品やサービス、ビジネス・モデルを通じ、新たな価値を創出し、競争上の優位性を確立すること、としています。

つまりDXでは、従業員の働き方や業務プロセスにとどまらず、それに加えて、製品やサービス、ビジネスモデル、さらには企業風土や組織文化に至るまで、業務全体の抜本的な変革が求められているのです。

DX技術で開かれた世界を実現し、業務変革を後押し

次に、IT活用とDXの違いについて見ていきましょう。これまでも、ITの世界でデジタル技術は使われてきました。

上記左図のように、サーバーや入力機器、PCやプリンタなどが、オフィスのような1つの空間のなかで形成されており、いわば閉ざされた世界でした。例えば、キーボードからインプットされた情報は、PCやサーバー上で処理され、プリンタで出力するといった具合です。

一方DX技術で実現する世界は、オンライン空間で展開される開かれたものです。「IoT(モノのインターネット/Internet of Things)」により、さまざまな機器から情報を流入させます。これらの膨大な情報を「BigData(ビッグデータ)」としてオンライン上の「クラウド」に集積。さらに「AI(人工知能)」によって分析され、結果を情報として受け取るだけでなく、さまざまな機器を動作させる、といった構造になるのです。

そのため、ネットワークはオンラインでつながり、オフィス内の空間にとどまらず、スマートフォンやロボット、さまざまなセンサーなど、多彩な機器が連携し、データを集め、分析するという新たな構造を生み出しています。これにより、あらゆるソリューションが実現できることで、業務効率化やビジネスモデルの変革につながるのです。

デジタル化の3ステップ

DXに関連して「デジタル化の3つのステップ」について、ご紹介します。動画配信サービスの「Netflix」を例に見ていきましょう。NetflixはDXを代表する企業としてよく取り上げられますが、彼らもはじめからDX企業だったわけではありません。Netflixは当初、DVDを郵送で貸し出すサービスを展開する、いわゆるアナログ企業だったのです。

Netflixは手始めに、DVD上にある映像をデジタルデータに置き換え、集積していきました。DVDという物理データをデジタルデータ化することにより、デジタル資産に置き換えたのです。このようにアナログや物理データをデジタルデータ化することを「デジタイゼーション(Digitization)」といいます。

続いて、デジタルデータになった映像コンテンツをネットワークで配信します。これにより、従来郵送でやりとりしていた顧客との接点が、デジタル上に移行しました。このように、個別の業務や製造プロセスをデジタル化することを「デジタライゼーション(Digitalization)」といいます。

さらに、他社の映像コンテンツにとどまらず、Netflixは、視聴率の高い作品の傾向を分析し、独自にコンテンツ製作をはじめます。こうした作品の多くは大ヒットを果たしました。このように、ビジネスモデルの変革と業務改革を成し遂げた一連の流れは、まさにDXといえるでしょう。

こうしてNetflixは、全世界で映像コンテンツを配信、制作する一大企業にまで上り詰めたのです。

DXがもたらす3つのバリューモデル

DXで成功している企業の多くは「コストバリュー」「エクスペリエンスバリュー」「プラットフォームバリュー」という3つの新しいバリューモデルを組み合わせて、これまでにない新しい価値を顧客に提供しています。

コストバリュー」とは、価格を下げることで顧客への価値を提供しているモデルを指します。無料もしくはそれに近い超低価格でのサービス提供や価格の透明性、顧客の集約などが「コストバリュー」にあたる価値です。UBERでは、事前に料金が把握できるほか、チップも表示されるため、価格の透明性が担保されています。他にも、Amazonの電子書籍サービス「Kindle」では、書店に出向き本を買う行為を省くだけでなく、印刷費などを安く抑えることで、書籍に比べて低コストで商品を提供しています。サブスクリプションのように、価格が明確で、従量課金制をとるサービスも多いです。

エクスペリエンスバリュー」とは、これまでにない新たな顧客体験により提供される価値を指します。仲介業者の排除や自動化された作業によるスピーディーなサービス提供、顧客のニーズに合わせたレコメンド機能などが、「エクスペリエンスバリュー」といえます。UBERでは、近隣タクシーの配車、到着予定時間の表示、Googlemapとの連携が、エクスペリエンスバリューといえる価値です。他にも、Amazonでは「Prime会員」特典の翌日配達や、類似顧客が閲覧した商品を検索結果へ表示する機能などが挙げられます。

プラットフォームバリュー」とは、1つのサービスでは生み出せない価値を、複数のサービスを組み合わせることで、生み出される新たな価値のことを指します。例えばフードデリバリーサービス「UberEats」では、飲食店、配達員、顧客それぞれにサービスを提供することで、新たな価値を生み出しています。

例えば飲食店では、サービスを利用することで、デリバリー機会が拡大。また配達員には、パートタイムビジネスの機会を提供。さらに顧客へは、デリバリーサービスの利便性を向上させているのです。

DXへの第一歩は「体感すること」

最後に「DXを自分ごとにする心構え」についてお伝えしたいと思います。それは「デジタルネイティブになる」ということです。デジタルネイティブといえば一般的に、幼い頃からデジタルサービスに触れてきた、若い世代のことをいいます。しかしながら、新しいデジタルサービスを敬遠しがちな方にも、まずは身近なサービスに触れていただきたいのです。

その際、意識してほしいポイントがあります。

  • なぜ人々はそのサービスを利用するのか?
  • そのサービスのデジタル活用ポイントはどこか?

これらを意識しながら、デジタルサービスを使うことで、DXがより身近に感じられるようになります。

DXの本質は、ITに詳しくなることだけではありません。「問題を発見して解決すること」「常に業務改善して無駄をなくすこと」「新しい企画を立てて実行すること」。これらをデジタル技術で加速させることなのです。

DXは今後、皆さんがビジネスに取り組む中で、欠かすことができない概念になってくると思います。自分の身近なところから興味をもつことで、DXを少しずつ自分ごと化していきましょう。

ぜひ今回お伝えした内容を、みなさんのビジネスにも役立てていただけたら幸いです。


※本記事は当社が提供しているDX企業研修「DX入門講座」の内容を一部抜粋して掲載しております。「DX入門講座」の詳細はこちら

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