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【インタビュー】「近道することに遠慮なんていらない」Techmateメンター本間紀史さん

マインドテックが提供しているメンターサービス「Techmate(テックメイト)」のメンターとしてご登録いただいている、ITアーキテクト本間紀史さんに、これまでの経歴や、これから勉強を始めたい人へ伝えたいことなどを伺いました。

【プロフィール】
本間紀史
ITアーキテクト

1977年栃木県大田原市生まれ、同那須塩原市在住。上智大学大学院理工学研究科博士前期課程修了。情報処理技術者(ST,SA,PM,DB,NW,SC)。
エンジニア部門の責任者やCTO、技術顧問等を歴任した後、2019年にフリーランスエンジニアとして独立。自ら設立した企業の経営も担う。
社内にエンジニアの居ない環境で、一人で全てを解決しなければならない状況に苦しみながらも独力で技術を身につけ苦境を打破してきた経験を糧に、同様の課題に後輩が苦しまないよう、エンジニアの育成・教育に心血を注ぐ現役エンジニア。

好きなこと、仕事に没頭したからこそ見えてきた道

ーまずは本間さんのキャリアについてお伺いしたいのですが、元々ITエンジニアになるつもりだったんですか?

本間:実はITエンジニアになる気はなかったんですよ。

昔から自動車が大好きだったので、当時は自動車分野の大学に行こうと考えていました。一方で医学部への進学も考えていたのですが、医学部は試験のレベルも高く、すぐにお金を工面するのも難しい。

高校の時に通っていた塾の先生から「好きなことをやったほうがいい」と言われて自分の気持ちが固まり、自動車作りを学ぶために上智大学の理工学部に入学しました。

上智では自動車のガソリンエンジンの研究をしつつ、大学院時にはアメリカの学生フォーミュラカーレースイベントに日本代表として出場したりしていましたね。

ー自動車が好きだったんですね、初めてITの仕事に携わった経緯は何だったんですか?

本間:大学院の1年まで自動車分野の研究をしていたのですが、先輩の中に現在でも活躍されている起業家が2人在籍していました。

2000年に彼らが大手人材会社の子会社を立ち上げ、アルバイトとして手伝うことになったのがエンジニアとしてのスタートです。当時はバイト終わりの夜11時にオフィスに入って、次の日の朝6時くらいに仕事を終え、3時間くらい寝て授業に行くという生活を続けてました。人事部から午前と午後間違えてるよと言われるくらい仕事にも没頭していましたね(笑)

ー大学も仕事も全力だったんですね。

本間:そうですね。これが人生の中でも転機になっていて、大学では自動車分野の勉強をしつつ、エンジニアとしての仕事をしたことが「自動車を仕事にするってどういうことだろう」と考えるきっかけにもなったんです。

それで色々考えて自動車メーカーに行きたいと思っていたのですが、メーカーに行ったからと言って好きなものだけ作れる訳ではないし、ガソリンエンジンだっていつ無くなるか分からない。今後のキャリアを考え直し、就職する時にはIT業界のエンジニアになろうと思い就職活動に臨みました。

当時は就職氷河期でしたが無事外資系IT企業に内定を貰い、それを当時のアルバイト先の代表に報告しに行ったんです。そしたら飲みの席で代表に「ウチで働かないか?」と説得されて新卒として入社することになりました。

今となれば正しい選択ができたと思いますが、親に報告したらその後1週間は口を聞いてもらえませんでしたね(笑)

PM、技術顧問、CTO 数多の経験から得た、ヒリヒリした現場の醍醐味

その人材会社にはどれくらい在籍していたんですか?

本間:5年ほど勤めましたね。

最初の3か月くらいは研修で本社にいて、そこから出向という形で先輩たちが作った子会社に転属になりました。

転属後まず行ったのは本社に導入されていたシステムを子会社へカスタマイズして導入する作業。それが終わったタイミングで本社も含めた全社の人材紹介システム統合、またそれまでWindowsベースだった人材紹介システムをUNIXベースにフルリニューアルするプロジェクトも経験しました。

そのあとに会社が合併することになったのですが、数千人規模の組織になるので、両社のシステムを統合しないといけなかったんです。最後の1年間は両社のネットワーク統合の設計やプロジェクトマネジメントも担当しました。

ー5年間でエンジニアとしてかなりご経験を積まれたんですね。その後はどのようなキャリアを築いていったんですか?

本間:会社がM&Aをしていく中で、段々とシステムに直接触れられる機会が減ってしまったんです。このままでは自分の技術力も上がらないし、当時ちょうど結婚して区切りがついたこともあり転職することにしました。

転職後は金融システムのネットワーク設計を担当し、その後Web系のベンチャー企業で4年ほど在籍し、CTOを務めていました。カード会社の新規会員獲得サービスの開発、ソーシャルゲーム、アフィリエイトシステム、位置情報ゲームの開発を手掛け、途中リーマンショックで売り上げが極端に落ちたり、事業立て直しのために採用活動をしたりと…4年間の間でとにかく何でもやっていましたね。

ー時代の影響を受けつついろいろ経験されて、まさに波乱万丈ですね…!

本間:かもしれないですね。

「ベトナムに興味ない?」と2011年末に誘われたことで、何それ面白そうじゃないですかということでベトナムに行きました。

ー今度はベトナムですか⁉

本間:元々35歳までに海外で働きたいと思っていたんですよ。

新規サービスの立ち上げのためにハノイへ移住し、ベトナム人を対象にエンジニアを0から育ててきました。最終的に1500人近くの開発チームを育て上げ、現地最後の1年はハノイの工科大学で先生として、日本の開発手法などの実践的なカリキュラム作成も行いました。

帰国した後は経営系の大学院でデジタルプラットフォーム部門の技術顧問として、採用面接や評価制度の策定などにも関わらせてもらいました。

いろんな企業で技術面のお手伝いをしたり、新規事業立ち上げにも携わってきましたが、事業を作って大きくするために試行錯誤する、ヒリヒリした現場がすごく好きなんですよね。

ベトナムにて授業を行なっている本間さん

自分が後悔しない生き方を、教育で叶える

ーTechmateでメンターをしようと思ったきっかけについて教えてください

本間:エンジニアリングの力で一緒に事業を変えていける余地があるサービスだと思っていて、すごく楽しそうだなと思ったことがきっかけです。

逆に言うとある程度ルールが決まっていたり、裁量に限界がある仕事には魅力を感じないんですよね。世の中のスタートアップもそうですが、サービスをやろうと思う人たちの熱量によって仕事のやりがいや楽しさは変わってくると思うんです。

またこれは自分の経験則ですが、その場その時に適切に教えてくれる人がいたら、見える景色も違ったと思うし、しなくてもいい苦労を沢山してきた気がするんです。教育に携わる以上不要な苦労をさせたくないという思いもあり、それがメンターになるきっかけにも繋がっています。同じ苦労をしたら自分の所までしか行けませんが、自分が教えればそれ以上のところに行ってくれると思うので。

ーベトナムでもエンジニア教育に携わってきましたが、本間さんは『教育』についてはどのようにお考えなんですか?

本間:自分がライフワークとして一番やりたいのって、教育なんですよ。

プライベートでは夫婦で子供を育てて、自分たちが死ぬときに子供の顔を見て死ねるならば悔いはないと思っているんです。

ただ、”人間としてどう生きたいのか”って考えていくと、自分がこれまでに経験してきたものを他の人に渡すことで、その人たちがいい人生を送れる、社会に良いものを残してくれる、出会った人たちが幸せになるために生きることが、自分にとって後悔しない生き方なのかなって感じていて、その実現には教育が必要不可欠なんです。

主体的な気付きを与え、足りないピースを埋めていく

ー実際メンティーさんに教えてみていかがですか?

本間:経験が浅い方も、ある程度キャリアを積んだ方も、Techmateはどちらにとっても良いサービスだなと感じています。

例えば若くてまだ経験が浅い人って、パズルでいうと埋まっていないピースが多い状態。つまり”何がわからないのか分からない”という方が多いと思うんです。その場合は、どのピースを埋めるべきなのか?どんな技術を使うべきなのか適切な選択を与えていきます。

一方でキャリアをある程度積んだ人の場合、スキルや人脈、方法論といったパズルのピースはある程度揃っている状態。でもあと一つピースが足りない。その一つさえあれば上手くいくのに…という方が結構多いんです。その最後のピースを渡すために自分が何を与えられるか考え、ポイントにバシッとはめていくことは面白さでもあり醍醐味だと感じています。

教えられる分野は本当にピンポイントだけれども、それを手に入れたとき、若い方は勉強で埋めていけるし、キャリアがある方はパフォーマンスに直結させることができる。その1人への支援が周りに波及し、組織に広がることで相乗効果を生むことができるので、社会的意義も高いサービスだと思っています。

ー教える中で工夫していることや意識していることはありますか?

本間:意識してるところで言うと、「これは知らなかった!」「こうやるんだ」という新発見をなるべく多く与えたいと思っています。頭の中にはある程度構想があるけれども、その次のアクションがわからないという疑問を解決するために、自分なりに考えて良いソリューションを渡せるよう心がけています。

あとは、なるべく主体的に気づいてもらうことですね。こちらから解答を与え続けるのではなく、向こうがしっかりゴールを決めてくれるようアシストすることは意識しています。単純に自分が全部教える、あなたは教わるという関係じゃなく、お互い成長できる関係性を築けるように教えています。

ー最後に読者に向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。

本間:とにかく遠慮せずに何でも聞いてほしいです。特にエンジニアの世界だと、ggrksみたいな風潮がありますが(笑)

メンターとして教える以上自分もプロなので、聞くのが恥ずかしいなんて思わないでほしいです。我々が持っているものを、ぜひ自身の中にインストールしてほしいですね。盗めるものはどんどん盗んで近道を選ぶべきだと思っているので。

またテック系のメンタリングって、自分が良いと思っているゴールが実は正しくなかったり、想定とはまるで違う解決方法が出てくることが多い分野なんです。ですので、事前に聞くことを決め切ってメンターに聞くだけだと自分で調べるのと何ら変わらなくなってしまう。それならいっそメンターに丸投げして、「ここしか分からないのであとは教えてください」みたいにフル活用してもらえたらと思います。

最初は遠慮するかもしれませんが、教えてくれる人が近くにいる人は必ず伸びます。メンターからの情報を浴びる位の勢いで安心してメンタリングを受けてほしいです。

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